地元愛が生んだ木地の技
山間の地に咲いた、花顔のこけし
山間の地に咲いた、花顔のこけし
平家の落人伝説が残る山間の集落・大井沢で、木地業が発達したのは明治32(1899)年以降。当時、集落の長であった志田五郎八が地域振興のため秋田から職人を招いて、漆器を製造・販売し、大正時代に最盛期を迎えました。志田菊摩呂は18歳の時に五郎八に師事し、72歳にしてその名を高めると、こけし作りに傾注。大正時代に当地で作られていたこけしを復元し、以来その作風が菊摩呂こけしの名で親しまれてきました。
蔵王や鳴子の系統もふまえ
“菊摩呂風”にアレンジした山形系
“菊摩呂風”にアレンジした山形系
当代2代目の菊宏氏は菊摩呂の孫にあたり、米沢市の木地師・高崎祐一の教えを受け、工房を開業。菊摩呂こけしは蔵王系や鳴子系の流れも汲んだ独自の「山形系」。二通りの型があり、“はめ込み中央胴細菊くずし胴模様”の「大正型」は細胴で目元は二重。太胴の「菊摩呂型」には開き菊や重ね菊などが描かれています。いずれも頭の鉢が張り、丸みを帯びた肩が特徴です。また、2020年3月には、3代目の楓氏がデビュー。これまで継承されたこけしのほか、若年層や女性にも気軽に親しんでいただけるようなかわいらしいこけしを手掛けています。
●こけし ●木地製品
菊摩呂こけし工房(志田菊宏・楓)
〒990-0721 西村山郡西川町大字大井沢1032番乙地
電話&FAX: 0237-76-2416
電話&FAX: 0237-76-2416