相良家に代々伝わる秘伝の書の写真

相良家に代々伝わる秘伝の書
全国の土人形のほとんどが地域の名前に由来しているのに対し、相良人形は人の名前が付けられています。これは、人形づくりの技術が、初代から3代までが書き継いだ人形製作覚書『人形拵(こしらえ)秘事控言(ひじひかえごと)』によって一子相伝で受け継がれてきたことによります。この書は、近年まで門外不出だったため、相良家以外の人間が目にすることはありませんでした。
相良人形と型の写真

相良人形の記事が記された古い書籍の写真

研究者たちの注目を浴びて
相良家10代目の隆氏が、戦後相良人形を復興した後、知人の研究者に『人形拵秘事控言』について話したところ、土人形としては珍しい貴重な歴史的資料であることが発覚。専門家の注目を集め、解読が行われました。これにより相良人形は、伏見人形や堤人形、京人形の仕様を取りいれ、独自の発展をしたことが判明しました。

『民藝555号』(平成11年)日本民藝協会発行など。


作り手の顔
相良 隆 氏

相良家10代目
人形7代目

この家に生まれたからには
人形づくりが私の使命です

「当時の庶民生活を、初代が武士の目で形にした相良人形は、平和の象徴です」と話す相良隆氏は、30代で人形復興を実現したものの、しばらくは建築業と二足の草鞋だったそうです。
現在は、息子の隆馬氏が後を継ぎ、人形制作を続けています。
懐かしくて愛らしい相良人形を求め、作業所兼自宅には県内外からファンが訪れます。

相良隆さんの写真