笹野花と十七堂祭の「柴燈護摩」
毎年1月17日の初縁日、同地区にある笹野観音では、十七堂祭の御祈祷「柴燈護摩(さいとうごま)」を開催しています。この例祭で、笹野彫の原点のひとつといわれる笹野花は、山伏衆が燃えさかる護摩壇に向かって行う「花の舞」での献花としても用いられています。クライマックスの「火渡り」は、一般参詣者も希望すれば参加できることから、例年多くの注目を集め、米沢の冬の風物詩となっています。
信仰心から生まれた縁起物としての笹野彫
十七堂祭に笹野花が用いられ始めた由来は定かではありませんが、「この地に疫病がないのは “蘇民将来”を彫るため」と伝えられる八角形の笹野彫とともに、古くから祭礼の縁起物として受け継がれてきました。現在も笹野花は、生花のない冬季間、神仏へ飾るなど、米沢の人々の暮らしと信仰に静かに根づき、そこから発展した笹野彫も縁起物として、地元農民の手によって伝承保存されてきました。
境内に設けられる花小屋では、笹野花やお鷹ぽっぽなどの笹野彫を販売。縁起物として、毎年、多くの参詣者が買い求めています。
写真提供/笹野観音