日本の籐工芸品は、昭和40~50(1965〜1975)年の「籐ブーム」で急速に需要が高まり、生産が追いつかなくなりました。それを契機に、海外で生産された安価な製品が輸入され始め、国内の籐工芸産業が激減。現在、日本の技術で作られる籐工芸品はほんのわずかとなりました。こうした背景を受け、ツルヤ商店では新たなブランド展開に取り組んでいます。

籐製品「ami」シリーズの写真

デザイナー米谷ひろし氏とのコラボレーション
「ami」 シリーズ
「ami」は、東京在住のインテリアデザイナー・米谷ひろし氏とのコラボレーションシリーズで、昔ながらの技術に改良を重ねた「籐源郷」シリーズとならぶ、ツルヤ商店の2大ブランドです。 籐家具が持つしなやかさと軽やかさを、現代のモダンな居住空間に合わせてデザインしようと、「空気のように存在する家具」をテーマに、金属を組み合わせた籐工芸を展開しています。 主な製品は、椅子や花器、かごなどで、製品名「kago-50.25」はグッドデザイン賞2006に、ブランド「ami」自体も山形エクセレントデザイン賞大賞2006に選ばれています。

「エフスタイル」籐工芸作品の写真

東北芸工大出身の女性ふたりがプロデュース
F/style(エフスタイル)
「F/style」は、東北芸術工科大学出身の五十嵐恵美さんと星野若菜さんが開設した、新潟市にあるデザイン事務所です。日本の地場産業に注目したデザイン提案から販路開拓までをふたりで行い、今までに、山形の麻じゅうたんブランド「月山鍛通」(穂積繊維工業)とコラボレートしたマットシリーズや、新潟県山北町のしな織バックなどをプロデュースしてきました。ツルヤ商店の籐工芸では、曲線がやさしい印象を与えるバスケットやハンガーなどをプロデュース。製造をツルヤ商店が行い、併設ショップ「つるや品物店」にて「エフスタイル」ブランドとして取り扱っています。