組子作業の写真

50種類にも分かれるといわれる組子細工
名工たちの技が光る
組子(くみこ)は本来「組木」と書き、建具の中でも木を組んだ物のことを指し、障子は一般的な組子にあたります。組子には種類が多く、真金(まがね)組子・曲木(まげき)組子・菱組子・花形組子・三ツ組子・手組子など、50種類にもおよぶ形があります。地組みの中に別の木片(葉)を入れてさまざまな幾何学模様を作り出すもので、釘は一切使わず、木と木を寸分たがわず緻密に組んでいくという、職人ならではの技によるものです。
山形建具「組子」作品の写真
山形建具の建具展示会の写真
写真提供/山川建具店
展示会などを通じて、互いに磨きあげてきた技術
県内には優れた職人が数多く存在する
木製建具の良さの再認識とその普及を図るため、住宅関連企業や一般消費者に向け、県内では毎年さまざまな建具展示会が開催されています。そこでは、各人技巧を凝らした組子の作品が数多く展示されます。こうした試みなどを通じて技術を磨きあげてきた県内の建具職人たちは、その技術の優秀さ、デザインの素晴らしさから、全国でも高い評価を受けています。


作り手の顔

山形県建具組合連合会副会長
山形市伝統建具工芸協同組合理事長
全国伝統建具技術保存会幹事

石山 孝次郎 氏

下段の写真は瑞巌寺陽徳院霊屋(ようとくいんれいや)の桟唐戸(さんからど)保存補修工事。平成18年8月8日から作業開始、20年12月20日完成。

卓越した組子技術で、国の
重要文化財の修復事業にも従事

石山孝次郎氏は、全国建具展示会で最優秀賞の内閣総理大臣賞に輝いたのを始め、これまで数々の賞を受賞し、平成17年、国の「現代の名工」に選ばれています。こうした技能が評価され、全国伝統建具技術保存会の会員として、京都の西本願寺、仙台松島の瑞巌寺(ずいがんじ)保存補修工事を始め、さまざまな研修会に参加、国の重要文化財の修復事業に携わっています。先人の優れた技術に触れるたび、日本の伝統工芸の文化の深さを学び、後世に伝えることの大切さとその使命を実感するということです。

石山さんと桟唐戸(さんからど)の写真
写真提供/石山孝次郎氏