木工品「酒田船箪笥」庄内地域酒田市
酒田船箪笥「はんがい」の写真
歴史と概要
佐渡小木、福井県三国とともに
船箪笥の三大産地に数えられた湊町・酒田
船箪笥は江戸~大正時代に廻船の船乗りが携えていた貴重品入れのこと。太平洋側に比べて日本海側の産地には豪華な船箪笥が多く、その理由は海の“商い方”の違いといわれています。当時の海運業は、運賃で利益を得る「運賃積(うんちんづみ)」と、北前船のように船が商品を仕入れて販売する「買積(かいづみ)」とがありました。買積船は利潤が大きく、その寄港地で製造がさかんになったと考えられています。酒田では明治以降、地元の船乗りによる受注生産を中心に多く作られました。

酒田船箪笥「かけすずり」の写真
技法と特色
海運隆盛の時代に
あらゆる事態を想定して施された細工の妙
船箪笥は船内を携行できるぐらいの小型で、材料は外側が欅材に鉄金具を装飾して堅牢に、内部は高湿度によって膨張する特性のある桐材を使い漏水を防ぎました。その様式は用途別に、現金や重要書類を入れる金庫としての「懸硯(かけすずり)」と「帳箱(ちょうばこ)」、衣裳を入れる「半櫃(はんがい)」があります。秀でた特色は、浸水しにくく簡単に人目に触れない内部構造。まさに用の美といえるその作りは、当時の職人の粋を集めたものです。

主な製品
●船箪笥
酒田船箪笥「かけすずり」の写真 酒田船箪笥の装飾部拡大写真 酒田船箪笥の内部写真 箪笥内部の構造写真
※酒田船箪笥の正式な「箪」は旧字体です。

お問い合わせ先

富樫銘木
(本社・工場)〒997-7611 鶴岡市上藤島備中下98
 電話:0235-64-2494 FAX:0235-64-2547
(銘木の館)〒999-7776 酒田市新堀字豊森212-2
 電話:0234-91-5056
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